今週の農園

これまでの記事

2015年

2014年

2013年

10/14

もう10月も半ばですが、今の畑は夏野菜であるナスやキュウリと、冬野菜である小松菜やわさび菜などの葉物野菜が、両方とれていてやたらと賑やかです。

おそらく夏の暑さが長引いたせいだと思うのですが、ニュースでは「長引く暑さで野菜が値上がり」といった報道を目にします。でも馬場修一郎農園はそういった悪い影響は特には…。

報道で取り上げられるような市場に影響力のある農家は、今やどちらかというと工場に近くなっています。もちろん太陽の下、畑で育てているという点は植物工場よりはずっと農業らしいのですが、データをもとに一定の周期で一定の品質、一定の大きさの野菜を作り、大量に出荷します。

そのためには収穫から洗浄、袋詰め、箱詰めまで極力機械を使い、無駄のない作業が必要で、そのためにまずは形も重さも一定の野菜が大量に必要、ということになります。

生き物である野菜を一定の規格で大量に作る技術はすごいものがあると思うし、出荷作業を秒単位で管理することでスーパーの店頭での、僕らのような少量多品目農家には想像もつかないような値段の野菜が実現すると思うのですが、システマティックに成り立っているだけに予想外の気候にはとても弱く、冒頭の「野菜の値上がり」というニュースにつながっていきます。

でもそういった、日本の農業の主流となっているやり方には、味と面白さ、野菜の個性が決定的に欠けて(無くされて)います。

そこが、僕が少量多品目栽培を選んだ理由だし、農業の後継者不足にもつながっていく部分なのかなというのはちょっと大袈裟かもしれませんが。